
AIモデルをよく使っていると、性能と同じくらい気になるのがコストだ。コーディングエージェントにバグを探させて、コードを直させて、テストまで繰り返させると、モデルと何度か会話する程度をはるかに超えるよね。
しかも最近流行りのAIエージェントを使ったことがある人なら、コンテキストが少し長くなったり、ちょっと複雑な作業を頼んだりしただけで、トークンが一気に溶けていくのを経験しているはずだ。
そんな中、10月17日にDeepSeekがV4.1-Flash-1017を公開したのに続いて、10月19日にMiniMaxもM3.1 Flashを正式に発表した。二社が打ち出した共通点ははっきりしている。
コーディングと複雑な作業をもっと上手くこなしながら、利用料金と待ち時間を減らす、ということだ。Flashという名前だけで軽いチャットボットだと思っていたなら、今回のモデルは少し違う目で見る必要がある。
二つのモデルが狙っているのは、質問に答えて終わるAIじゃなくて、複数の段階を踏んで仕事を仕上げるAIエージェントだ。
安いモデルがコーディングまで任される時代
DeepSeekの新しいモデル名はDeepSeek-V4.1-Flash-1017だ。既存のV4.1-Flashをもとに、10月17日にアップデートしたバージョンになる。
DeepSeekは、推論とコーディング、エージェント作業、画像理解に関する評価でスコアが上がり、作業を終えるまでの時間と回答の長さも減ったという。
モデルを最初から大きく作り直したのではなく、学習後の調整で実際の作業遂行能力を引き上げたアップデートだという点を強調した。
✦ DeepSeekの公式ベンチマークの変化
DeepSeek-V4.1-Flash-1017、公式発表の数値
公式資料には、コードリポジトリを分析して修正する作業の評価であるDeepSWE v1.1のスコアが、既存の74.2から77.0に上がったと書かれている。
ターミナルで開発作業を行うTerminal-Bench 4.0のスコアも、31.2から42.3に上昇した。これは間違いなく目を見張る性能向上だ。
この数字はDeepSeekが公開した自社評価の結果だから、100%客観的とは言えないとしても、今回のアップデートが単なるモデル名の変更じゃないことは見せてくれる。
✦ モデル別の公開比較
両社の公開比較表基準、スコア
ほかのモデルとベンチマークを並べて比べてみようか。両社の公開比較表では、DeepSWE v1.1がDeepSeek 77.0、M3.1 Flash 73.7、GPT-5.6 Sol 73.0、Claude Opus 5 74.0だった。
Terminal-Bench 4.0は、DeepSeek 42.3、GPT-5.6 Sol 39.9、M3.1 Flash 38.1、Claude Opus 5 51.8だった。
Opusモデルの価格は最近だいぶ安くなったけれど、それでもハイエンドモデルだという点を考えると、DeepSeekとM3.1 Flashのコストパフォーマンスはすばらしい。
注目を集めたのは、DeepSeekが見せた活用例だ。公式発表には、ウェブのレーシングゲームを作ったり、ゲームエンジンで「ポータル」風のゲームを再現したり、3Dシーンを構成したりするプロジェクトが登場する。こういう作業は、コードを一行提案するのとは違う。
要件を読み解いて、複数のファイルを作って、実行結果を確認したうえで、問題が出たらまた直さなきゃいけないからだ。AIがこの過程を続けて行うほど、ユーザーは段階ごとに指示を出す手間を省ける。
AIエージェントをたくさん使ってきた人なら、これがどれだけ大事かわかるはずだ。
たとえばClaudeモデルのうちいちばん安いHaikuを使うと、エージェントの作業がたびたび途切れる。作業を止めずに続けてと言っても聞かず、途中で止まってしまう。これは本当にイライラすることだ。
任せておいた作業をエージェントがずっと進めていると思っていたのに、実は自分の指示の序盤だけやって何時間も遊んでいたとなれば、腹が立つのは当然だ。Sonnetくらいになればこの問題はかなり解決する。でも、そのぶんコストが高い。
こうした問題を低コストのモデルが解決してくれるなら、AIエージェントを使う人にとってはとても大きな利点だ。
トークン価格はどれだけ低いのか
✦ DeepSeekとMiniMaxのAPI価格
100万トークンあたり、ドル
DeepSeekのAPI価格は、入力トークン100万個あたり、非混雑時間帯が0.15ドル、混雑時間帯が0.30ドルだ。
モデルが生成する出力トークンは100万個あたりそれぞれ0.60ドルと1.20ドルで、すでに処理した入力を再利用するキャッシュヒット入力は0.003ドルまたは0.006ドルだ。
混雑時間帯は、月曜から金曜までUTC基準の1〜4時と6〜10時で、中国の祝日と週末は非混雑料金が適用される。日本時間に直すと、平日の午前10時〜午後1時、午後3時〜7時が混雑時間帯になる。
だからAPIコストを減らしたいなら、その時間帯は避けるのがよさそうだ。
ここでいうトークンは、文字数とぴったり同じ単位じゃない。モデルが文章を処理するときに分ける小さな断片だと思えばいい。入力は、君が送った質問とあわせて、モデルに渡したコードや文書などのことで、出力はモデルが生成した回答やコードのことだ。
大きなファイルを添付して、長いコードを生成させ続ければ、両方のコストが一気に増えるだろう。
MiniMax M3.1 Flashも、DeepSeekと近い価格帯で出た。10月19日に公開されたM3.1 Flashの公式価格は、入力トークン100万個あたり0.15ドル、出力は0.60ドル、キャッシュ入力は0.015ドルだ。
入力と出力の基本価格は、DeepSeekの非混雑時間帯の料金と同じだ。だからDeepSeekの非混雑時間帯はDeepSeekのほうが少し安くて、DeepSeekの混雑時間帯はMiniMaxのほうが安い可能性が高い。
DeepSeekは、MiniMaxよりキャッシュヒット入力の料金が安いからだ。
でも、DeepSeekの混雑時間帯でも、似た内容の長いプロンプトを繰り返し送る作業なら、キャッシュヒット入力(すでにキャッシュされた値を活用する入力)に分類されるから、場合によってはDeepSeekのほうが安いかもしれない。
とにかく優秀なモデルが二つ、とんでもなく安い価格競争をしているんだから……消費者としては胸が熱くなるね。
✦ MiniMaxが発表した数値
M3.1 Flash、会社の発表基準
MiniMaxが強調したのは、安いコストと速さだ。会社は、M3.1 Flashのオンライン推論速度が前のバージョンよりほぼ3倍速くなったうえに、エージェント作業にかかるコストを70%減らしたと明らかにした。
日常的な使い方で出力速度が毎秒200トークンを超えることがあり、中央値は毎秒170トークン以上だともいった。
✦ 主要他社のAPI料金
100万トークンあたり、ドル、2026年10月20日時点
それなら、ChatGPT、Claude、Geminiの最新の高性能モデルと比べると、価格の差はどれくらいだろう?
2026年10月20日時点の公式APIの料金表を見ると、OpenAIのフラッグシップGPT-6 Astraは、入力トークン100万個あたり10ドル、出力は50ドルだ。
AnthropicのClaude Fable 5.1も、入力10ドル、出力50ドルで同じだ。
GoogleのGemini 4 Argonは、発売プロモーションで11月30日まで入力2ドル、出力10ドルだけど、12月1日からはそれぞれ4ドルと20ドルに上がる予定だ。
コーディングエージェントに使いやすい、一段階下の価格帯のモデルを見ても、GPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5は入力2ドル、出力10ドルだ。
もちろんここでいうのは、ChatGPT・Claude・Geminiアプリの月額サブスクリプション料金じゃなくて、モデルをAPIで直接呼び出すときに払う従量課金の料金だ。
✦ 同じ使用量でのコスト比較
入力100万+出力20万トークン、キャッシュ・道具使用料は除く
トークン使用量を同じに揃えて見ると、差がもっとよく見える。
複数のAPI呼び出しを合わせて、入力100万トークンと出力20万トークンを使ったと仮定して、キャッシュ割引、長いコンテキスト料金、別の道具使用料は除くと、DeepSeekの非混雑料金とMiniMaxは約0.27ドルだ。
DeepSeekの混雑時間帯でも約0.54ドルになる。
同じ使用量で、GPT-6 AstraとClaude Fable 5.1は約20ドル、GPT-6.1 SolとClaude Sonnet 5.5は約4ドル、Gemini 4 Argonは現在のプロモーション価格で約4ドルになる。
つまり、DeepSeekの非混雑料金やMiniMaxは、最上位モデルより約74倍、4ドルのモデルたちより約15倍少ないコストで、同じトークン量を処理できるという計算だ。DeepSeekの混雑時間帯の料金で計算しても、それぞれ約37倍、7.4倍の差が出る。
もちろん、上の計算は単にトークン価格だけを比べたものだ。高性能なモデルほど同じ作業を少ないトークンでこなすのが普通だから、実際にはその差が縮むかもしれない。でも、そこを考えに入れても、とんでもなく安いのは事実だ。
今回のDeepSeekの新モデル発表のあとで、AIインフラ関連企業の株価が下がったのも納得できる。
消費者があんなに安くて優秀なモデルを使ってしまうと、高いお金をかけてAIインフラを増やしている企業が、これから売上を伸ばして収益をあげるのが、そのぶん難しくなる、という理屈だ。
二つのモデルの違いはどこにあるのか
✦ 公開方式の比較
重みの公開と提供経路
二つのモデルは、価格表だけ見るとかなり似ているけれど、公開の仕方は違う。DeepSeekはV4.1-Flash-1017の重みを公開リポジトリに載せて、公式APIでも使える。
一方MiniMaxは、M3.1 FlashをMiniMax APIとM Plan、MiniMax Codeで提供し始めて、モデルの重みは後日公開すると明らかにした。
今すぐ自分でダウンロードしてサーバーに載せることに関心があるなら、DeepSeekのほうが向いているわけだ。
価格競争は、今やモデルを選ぶ基準そのものを変えている。
以前は、いちばん難しい問題をいちばん高いモデルに任せるやり方が自然だったとすれば、今は日常的なコーディングと繰り返しの作業を安いモデルに任せて、本当に厄介な問題にだけ上位モデルを使う構成ができるようになった。
もちろんエージェントは、一度の回答で終わらずにツール呼び出しと修正を繰り返すから、トークン単価が少し低いことより、作業を早く終えて無駄なやり直しを減らすことのほうが、大きな差を生むこともある。
だからトークン単価を下げながら無駄なコストを減らしたというDeepSeekとMiniMaxの新モデルに注目が集まるのは、当然だろう。
安いモデルはAIの使い方を変えるのか
安いLLMモデルが担える仕事の範囲が広がっている。以前は簡単なコード修正や短い関数の作成くらいだったのが、今は複数のファイルを直してテストまで行う作業を低コストのモデルに任せようという流れがはっきりしてきた。
DeepSeek V4.1-Flash-1017とMiniMax M3.1 Flashが見せた方向ははっきりしている。
GPT-6 AstraやClaude Fableのような高いモデルの回答を一つ待つより、ほどほどに強いモデルを安く何度も回して成果物を仕上げるやり方が現実的だ、ということだ。
今、私たちは定額プランでChatGPT、Claude、Grok、Geminiなどの高性能モデルを余裕をもって使っているけれど、これから定額プランはなくなるという予想が多い。
定額プランのせいで、その企業たちは大きな損失を出しているからだ。(たぶん、君が定額プランで好きなだけ使ったトークンをAPIで呼び出していたらいくらだったかを知ったら、驚く可能性が高い。)
そうなると、使ったトークンに応じて料金がかかるAPIプランへ少しずつ変わっていくはずで、最近Muse AIを使った人なら感じたはずだけれど、1億トークンという途方もなく見える量も、場合によってはあっという間に溶けてしまう。
こういう状況で、DeepSeekやMiniMaxのような安い中国産モデルが登場してくれるのは、私たちのような消費者にとってはうれしいことだ。AIインフラ企業にとっては、あまり好ましくないだろうけれど。ふふん♡
今回はここまでにするよ。また会おう。
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🌐 韓国語版: 딥시크 V4.1 플래시-1017에 이어 미니맥스 M3.1 플래시까지.. 중국산 가성비 AI 모델이 쏟아지네
🌐 英語版: DeepSeek V4.1 Flash, Now MiniMax M3.1 Flash: Cheap AI
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