Midjourney 8.2に推論モード登場!画像AIがミスを自分で直す

Midjourneyの推論モードのように、自分のポスターの下書きを自分で点検する画像AIを描いたイラスト

ポスターを一枚作るとしよう。画像生成モデルに、タイトルは上、日付は左下、人物は右に置けと言った。出来上がりはぱっと見は格好いいのに、日付が人物の上に重なっていて、ポスターの文言はスペルが間違っている。

もう一度作ろうにも、今度は人物の表情と照明が気に入らない。最初から引き直すのはもったいないし、手で直すのも気が重い。

Midjourneyが10月8日に公開した推論モード(Thinking Mode)は、こういう瞬間を狙った機能だ。すでに作った絵をプロンプトと照らし合わせ直して、見落とした要求を見つけてもう一度生成する方式だ。

画像AIが最初から完璧な結果を出す代わりに、自分で結果物を点検する段階をつけてみたわけだ。実際にどれだけ役に立つのか、見ていこう。

新モデルではなく、結果物をもう一度点検する機能

✦ 日付を整理する

V8.2モデルとThinking Modeは別の話

7月24日
MidjourneyのV8.2モデルを公開
10月8日
Thinking Modeのテストを発表
10月12日
「ナカノ」が複数のプロンプトで試した結果を公開

まず日付を区別する必要がある。MidjourneyのV8.2モデルは7月24日に公開されて、10月8日に発表されたのはThinking Modeのテストだ。V8.2という新モデルが10月に出たわけじゃない。

✦ Thinking Modeの使い方

Midjourney Alphaサイトで

1V8.2で作った作業を開く
通常の生成または編集の作業
2Rerun (Thinking)を押す
「画像を大きく見る」画面の右下
3見落とした条件を探して最初から再生成
モデルがプロンプトで見落とした部分を見つける
4結果を比べて自分で選ぶ
どれを使うかは自分で決める

使い方は簡単だ。Midjourney AlphaサイトでV8.2で作った通常の生成または編集の作業を開いて、「画像を大きく見る」画面の右下にあるRerun (Thinking)を押せばいい。

すると、モデルが結果物を見て、プロンプトで見落とした部分を見つけて、再び生成する。間違って入った物、ずれたレイアウト、不自然な体、画像の中の文字が代表的な点検対象だ。

✦ Thinking Modeが点検する対象

問題の種類ごとに、期待する改善と一緒に見る部分

物
• 期待する改善:抜けたり増えたりした物
• 一緒に確認:数・種類と配置
レイアウト
• 期待する改善:タイトル・人物・日付の位置
• 一緒に確認:余白と核心の構図
体の構造
• 期待する改善:手・腕・関節
• 一緒に確認:人物の全体の姿勢
テキスト
• 期待する改善:ポスターのタイトル・製品ラベル
• 一緒に確認:文言の正確さと大きさ

言ってみれば、絵を作ったあと、画像生成モデル自身がチェックリストをもう一度見て、エラーを直すわけだ。ただ、画像の特定の部分だけを修正する機能じゃない。

✦ Thinking Modeができること、できないこと

本文の内容を整理

できること
プロンプトで見落とした条件を合わせ直す
できないこと
画像の特定の部分だけを修正する
できないこと
好みと目的を勝手に判断する
できないこと
画像生成モデル自体の限界を乗り越える

最初から結果物を生成し直すから、直そうとした場所ではない構図や色合いのような別の部分が変わることがある。

〈画像の部分修正や変更の流れを、公式の編集モデル映像で確認できる動画です。〉
* YouTubeチャンネル『Midjourney』にあがっている動画だよ。

実際に使ったデザイナーが見つけた長所と限界

機能の説明だけ読めば何でも良くなりそうだけれど、実際の結果は作業の種類によって変わることがある。日本のデザイン会社DotProofを運営する「ナカノ」は、10月12日に複数のプロンプトでThinking Modeを試した結果を公開した。

✦ ナカノのテスト結果

画像の種類ごとに違った

エルフエルフキャラクター(全身)
鎧の細かな描写と人物の配置構図が良くなった
人物人物画像
ぎこちなかった右手と弓の形が良くなった
ポスターポスター
文字は少し良くなったが、完璧に読めるレベルではない
実写果物のかご(実写)
構図はバランスが取れたが、写真らしい自然さは最初の画像のほうが良いかもしれない

エルフキャラクターを全身で描くプロンプトでは、Midjourneyが再生成した結果が、鎧の細かな描写をよく生かして、人物を画面に配置する構図もいっそうバランスの取れた姿で出てきた。

ポスター画像では、最初の結果の文字が小さすぎたけれど、Thinkingで作り直した絵では少し良くなったという。ただ、文字が完璧に読めるレベルではなかった。

もう一度考えて再生成したからといって、画像生成モデル自体の限界を乗り越えられるわけじゃない。

リンゴとバナナとミカンをかごに入れた実写画像では、Thinkingを経た結果のほうがバランスの取れた構図に変わった。ところが、写真のように自然な場面を望むなら、むしろ最初の画像の構図のほうが良かったかもしれないという。

絵が整うことと、自分が望んだ写真に近づくことは、同じ話じゃないからだ。別の人物画像では、ぎこちなかった右手と弓の形が、再生成のあとに良くなったと記録した。

この実験で大事なのは、「よりバランスの取れた絵」がいつも「より良い結果」ではないという点だ。Thinking Modeは、プロンプトで見落とした条件を合わせ直すツールであって、好みと目的を勝手に判断してくれる万能ボタンではない。

ナカノのテストでも、再生成を重ねたからといって、結果が毎回良くなるわけではなかった。

推論モードは使うべきか、使わないべきか?

✦ 推論モードの効果、わかっていること

公表された内容と独立した使用例

✔ Midjourneyの自社テスト:プロンプトの反映度、文字の表現、場面の一貫性が良くなる傾向
✔ 成功率の数字:公表されていない
✔ 独立した使用例:特定のプロンプトを比べた経験で、大規模なテストではない

Midjourneyは自社テストで、プロンプトの反映度、文字の表現、場面の一貫性が良くなる傾向を確認したと明らかにした。ただ、成功率が何パーセント上がったかのような数字は公表していない。

今出ている独立した使用例も、特定のプロンプトを比べた経験であって、すべての画像でどれだけ良くなるかを示す大規模なテストではない。

ローカルで画像生成をたくさんやった人なら、途中にLLMをはさんで、生成された画像がプロンプトをちゃんと守ったか検討させて、通らなければ再生成させるワークフローを動かしてみたはずだ。

でも、おそらくその結果はそれほど満足できるものではなかったと思う。まずローカルLLMが画像を認識して解釈する能力があまり高くない。高価なハイエンドAPIモデルをつなげて使うには、そこまで重要な機能でもないしね。

かといって、GPT Luna、Claude Haiku、Gemini Flash-Liteのような安い「ポンコツ友達」も、ローカルLLMと比べて画像レビューの性能にそんなに大きな差はなかった。自分の経験ではそうだ。

むしろちゃんとした画像を却下してしまうこともあって、出来のいい画像をわざわざ捨ててしまうことも珍しくなかった。

MidjourneyのThinking Modeは、こうした汎用LLMではなく、画像生成専用のLLMが独自の検証機能を搭載したという点に意義がある。

この問題を推論モードがどれだけ減らせるかは、もっと多くの実際の使用結果が積み重ならないとわからないし、たぶんあなたが自分で使ってみても、当面は思ったほど満足できないと思う。

でもこの機能が少しずつ進歩して、「ユーザーが見て良いと思う画像」をMidjourneyがちゃんと選り分けられるレベルになったら、画像生成の作業は本当に楽になるだろう。

〈好みの画風を反映して画像の質を高める、公式パーソナライズ機能の解説動画です。〉
* YouTubeチャンネル『Midjourney』にあがっている動画だよ。

それにしても……そんな日が来るのだろうか?自分は最近すごいと言われるAIを使ってみると、もうLLMの限界が来たな、と思うことが多い。

何だかどんどん「それらしく」はなっていくけれど、人間の成果物のようにはなかなか気に入らなくてね。(AIのうそと詐欺行為もどんどん巧妙になっている)あなたはどう思う?

今回はここまでにするよ。また会おう。

関連記事

💬 コメント

まだコメントがないよ。最初のコメントを書いてみてね。

コメントを投稿